目黒区 都立大学駅前 すみクリニック 皮膚科・アレルギー科
自費診療
巻き爪・陥入爪/マチワイヤーによる治療
当院では、巻き爪、陥入爪ともに治療しています。
巻き爪と陥入爪の違いについて
巻き爪:爪が横方向に巻いている状態。
陥入爪:爪の角がトゲになって肉に食い込んで痛みを伴う状態。
陥入爪の人は巻き爪になっていることが多く、爪の角を切ってあげると一時的に痛みは治まりますが、爪が伸びてきたときにはさらに巻き爪が進んでおり、一層重症な巻き爪になってしまいます。
原因は?
先の細い靴によって爪に圧力が加わることや、深爪やちょっとした指の傷によって爪が刺さって伸びにくくなったり厚くなったりすること、寝たきりで足の指に体重がかからなくなることなどが原因とされていますが、残念なことに足や靴、爪の切り方などに関して日本ではまだまだ正確な知識が普及しておらず、様々な迷信がはびこっているのが実情です。
治療方法
初期であれば、爪の縁に米粒ほどの大きさの綿をつめるコットンパッキング方法を行うこともありますが、この方法は重症の巻き爪には有効ではありません。
かつては、指の肉(軟部組織)に食い込んでいる爪刺を切ってしまう方法はよく行われていましたが、爪が再び伸びてきたときにかえって状態を悪くしてしまうので、おすすめできません。
そこで、指に麻酔をかけて爪母から爪を縦に細く切除して爪の横幅を狭めてしまう手術(フェノール法等)による方法もあります。この方法は、当院でも場合により行うことがあり、日本で認められている健康保険適応の治療法で、比較的早く治療効果を得ることができるものの、爪の横幅が狭まることで見栄えが悪くなるだけでなく、再発して再手術が必要になることもあります。
また、健康保険は適用されませんが、プラスチックの板や金属のバネを爪に貼り付けて矯正する方法があります。ただしこの方法は普段の生活を送る中で、せっかく貼り付けたプレートが勝手に剥がれてしまうことも多く、重症であればあるほどうまくいきません。
これも健康保険適応外の治療として、金属のワイヤーを爪の縁に引っかけて矯正する方法があります。効果は高いものの、爪を真っ直ぐに引き上げているため、かなり強い痛みを伴います。このせいか世界的には普及していません。
この他に、健康保険適応外の治療ですが、炎症や痛みが強い陥入爪に「ガター法」「チューブ・スプリンティング」という治療法があります。この方法は、局所麻酔をして爪を剥がすことで爪とその下の肉(軟部組織)との間に隙間を作って、そこに爪の縁に沿って切れ目を入れたビニールチューブを装着して医療用接着剤で固定するものです。
1~2日で痛みが消える点では効果的ですが、爪の変形を矯正することができないため、短期間のうちにまた再発してしまうのが難点といえます。
そこで、痛みを伴わず、かつ効果も高い方法として、特殊な合金でできた非常に弾力のある形状記憶合金のマチワイヤを使った治療法が考案されています。当院ではこのマチワイヤを使って治療を行っています。この治療法は、指の先端から2mmほど伸ばした爪に穴を2ヶ所開けて、ここにマチワイヤを入れて医療用瞬間接着剤で固定するだけのものです。この方法は歯の歯列矯正のように長期間一定の力をかけ続けることで少しずつ矯正していくものですので、巻き爪も陥入爪も痛みを伴わず、手術をすることもなく治療することができます。ただし、国によって健康保険の適応範囲が違うため、日本ではこの方法も健康保険外での診療となります。
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施術前 | マチワイヤを通しているところ |
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施術完了 | 約1週間後 痛みを伴うことなく、すでに 爪が矯正されてきています。 |
この他に、クリップを爪の先端に取り付ける治療法もあります。
ドラッグストア等で市販されておりご自身で行うセルフメディケーションを行うこともできます。病院で行われていることもありますが、当院では行っておりません。
マチワイヤによる治療の経過と再発について
ワイヤーを装着しても、爪は伸びてきます。個人差はあるものの、だいたい1~2ヶ月おきに入れ替える必要があります。
治療期間は、爪の硬さや厚さ、巻き具合の程度もあるので、一概にはいえませんが、痛みがなくなって爪の形状が改善するまでですので、半年~1年程度はみていただく必要があります。
この治療法の弱点はワイヤーを使わなくなることで、再び巻き爪になってしまう可能性があることです。ただしこれは巻き爪の原因の項にも書いてあるように、原因を取り除けていないからともいえます。現代に生きる我々にとって、そうした原因を完全に取り除くことは非常に困難でありますので、再発することは仕方ないことなのかもしれません。しかし、再度治療することで、症状の改善が見込まれます。
☆お願い
当院ではマチワイヤを使った治療やフェノール法の手術を多く行っております。
出来る限りご来院された当日にこうした治療を行うようにしておりますが、混雑状況により大変お待たせすることや、後日ご予約をお取りした上で行うこともありますことをご了承いただきますようお願い申し上げます。