目黒区 都立大学駅前 すみクリニック 皮膚科・アレルギー科
保険診療
脂漏性皮膚炎(フケ、赤ら顔 etc.)
脂漏性皮膚炎とは?
赤ちゃんにもできる?
乳児の頭皮や顔にもできることがあり、乳児脂漏性皮膚炎といいます。
適切な治療によって治ってしまうことがほとんどですが、その後乳児のアトピー性皮膚炎に移行してしまうことがあるので注意が必要です。
ですから、乳児脂漏性皮膚炎は名称が同じでも大人の脂漏性皮膚炎とは別の病気である可能性があります。
原因は?
成人の脂漏部位に生じるので、皮脂腺との関係が考えられています。とはいえ皮脂の過剰分泌だけが原因とはいいきれないようです。最近の研究では、マラセチアというカビ(真菌)の一種が発症に関与するのではないかともいわれています。
しかしながら、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の塗り薬は脂漏性皮膚炎の改善に有効ですが、水虫やタムシといったカビ(真菌)による病気に使ってしまうと病気がかえって悪化してしまいますので、単純にカビ(真菌)だけによる病気であるともいいきれません。
残念ながらまだまだ原因についてわかっていないこともたくさんありますが、生活サイクルの乱れ、ホルモンバランスの崩れ、ストレス、偏った食生活(ビタミンB群の不足)なども脂漏性皮膚炎の発症・悪化に関わっているようです。
どのような病気と間違えやすい?
皮膚科専門医にとっては比較的診断が容易ではありますが、頭皮だけに限局しているときは尋常性乾癬、顔に出現したときは酒皶や酒皶様皮膚炎、体にみられたときはタムシ((体部白癬)や癜風(白なまず))との区別が必要なります。
脂漏性皮膚炎の治療には、医師が処方する塗り薬や飲み薬だけでなく、日頃からのケアも大切です
治療法は?
従来よりステロイド(副腎皮質ホルモン)外用剤が非常に有効です。ただし、病気自体が慢性的なものですので、治療をやめると再発する傾向にあります。長期にわたり使い続けることもあるので、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の副作用が生じないように皮膚科専門医で症状に合わせた使い分けが非常に重要です。
最近では、ステロイド(副腎皮質ホルモン)ではなく、ケトコナゾールという抗真菌薬(水虫などの薬)が脂漏性皮膚炎に有効であることがわかってきています。これは脂漏性皮膚炎に悩む患者さんにとって非常に喜ばしいことで、長期間使用していてもステロイド(副腎皮質ホルモン)外用剤にみられるような副作用がなく、非常に使いやすい薬剤であるといえます。ケトコナゾールと似たミコナゾールという成分の入っているシャンプーやリンスも市販されていますので、これを普段から使用していただくことも有効です。これらのシャンプーやリンスは当院でご紹介することができますので、お気軽にご相談下さい。
また、痒みの強い場合には飲み薬として痒みを抑える効果のある抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を用いることがあります。この他に、皮膚の新陳代謝を促し、肌の状態を整える作用があるビタミンB2やB6、パントテン酸を併用するのも有用な手段といえるでしょう。
皮膚を清潔に保ち、皮脂を適度な量に保つ必要があります。
日常生活や食事の注意点は?
丁寧に頭皮を洗ったり、顔を洗うことが重要ですが、そうはいっても洗いすぎはかえって皮膚がカサカサになるので禁物です。洗髪の頻度は必ずしも毎日必要というわけではなく、痒みがない、フケがでない、といった症状を目安に決めるとよいです。
ストレスや過労、睡眠不足は悪化する原因となりますので、生活のリズムを整え、充分な睡眠をとることが必要です。 食生活においてはビタミンの欠乏が症状の悪化をまねきますので、特にビタミンB群(レバー、シジミ、牛乳、卵、ホウレンソウ、トマト、キャベツ、椎茸など)を積極的に摂るようにします。また、便秘にならないよう規則正しい食事をして、玄米、麦、豆、野菜、芋、海草、キノコ、コンニャク、果物など食物繊維の多いものを摂るように気を付けて下さい。 逆に皮脂の分泌を増やしたり悪影響を及ぼす働きのある脂肪分、糖分、ナッツ、コーヒー、アルコール、香辛料などは控えめにされることをおすすめします。 |
![]() ヤンセンファーマ(株)提供パンフレットより |