目黒区 都立大学駅前 すみクリニック 皮膚科・アレルギー科
保険診療
凍瘡(しもやけ)/手足の指などの変色
凍瘡(しもやけ)とは、気温が5℃前後で日中と夜間との温度差が10℃前後といった比較的低温の時に、皮膚の血行障害を起こす病気のことをいいます。凍瘡になりやすい体質は、家系によるものといわれています。 寒い地域特有の病気ではなく、全国どこでも発症します。幼稚園児や小学生などに比較的多く見られ、女の子の方がややかかりやすい傾向にあるようですが、 | ![]() |
成人や高齢者でもこの病気に悩まされている方もいらっしゃいます。 一般的に、過去の病気と考えられがちな病気ですが、体は暖かくしていても、足元は夏のままの格好だったせいで、足の指だけに凍瘡を作ってしまうお子様も時々見かけます。 |
☆好発部位と症状
凍瘡ができやすい部位としては、手指、足趾、足の裏、耳たぶ、頬、鼻尖が多いようです。稀に、膝、尻、大腿などにもできることもあります。
症状としては大きく2つに分類できます。
指全体が赤紫に腫れ上がりゴムのような硬さになる樽柿型、大小様々な大きさであることが多いですが弓矢の標的のような形状で出現する多形滲出性紅斑型があります。
凍瘡ができるときには、やや紫色を帯びた赤みから始まることが多いようです。痛みや痒みを伴うこともあり、暖まることで痒みが増してきます。このまま放置していても治ってしまうこともありますが、低温にさらされ続けると、腫れ上がったり、赤紫色になって出血したり、水疱になったり、その水疱が破れて皮がむけてしまうこともあります。
☆治療
血行を改善するために、保温を心がけ、ビタミンEや末梢血管拡張薬、漢方などを内服することが主体となります。この他に、赤外線治療や温浴・マッサージを併用することで改善することもあります。塗り薬も使用することがあり、このときにはビタミンE軟膏やヘパリン類似物質含有軟膏などを用いることになります。
ただし、水疱になっていたり、皮がむけてしまっていたりする時は、マッサージはしない方が賢明です。皮膚科を受診して各々の症状にあわせた適切な治療をする必要があります。
☆予防(しもやけにならないために)
毎年のように凍瘡になってしまう方は、とにかく予防することが最重要です。
10月や11月の寒くなる時期より前から、手袋や靴下を利用して、寒さにさらされ続けるようなことのないよう気をつけて下さい。一見、ゴム長靴などは保温してくれそうですが、湿って冷えている状態を作り出している恐れがあり、おすすめできません。手掌や足底の多汗症という病気を持っている方も予防を心がけることが大切で、同じように、手や足を濡れたままにしておくのも良くありません。濡れたらちゃんと拭き取って乾かすようにしましょう。
また、1日2回程度でも結構です。凍瘡を作ってしまう前に手足をマッサージして血液の循環を良くするよう心がけて下さい。
☆是非、ご留意いただきたいこと
特に成人の凍瘡で問題になることが多いのですが、一見、ただの凍瘡に見えてその裏に実は大きな病気が隠れていることがあります。
全身性エリテマトーデスや凍瘡状エリテマトーデス、強皮症といった膠原病や、この他にもレイノー病、多形滲出性紅斑、クリオグロブリン血症、サルコイドーシス、薬疹などがその代表例です。
ただの「しもやけ」と自己判断せず、できれば皮膚科専門医を受診されることをおすすめします。